キリスト教徒は四旬節(復活祭の前の四〇日間)をイエスが荒野で断食・修行したことにちなんで修養して過ごす。 伯爵婦人が四旬節の終わりに教会へ行った。 婦人は館に戻ると伯爵に言った。 「わたくし、司祭さまに四旬節の間は一かけらの肉も体にいれませんでしたと申し上げましたの」 伯爵は咳払いして言った。 「言うにことかいて『一かけらの肉』だって!? なぁ、お前、もっとましな言い方はできなかったのかね?」